こんばんは
弁護士の宮本です。
さて、昨日に引き続き改正DV防止法についてお知らせしようと思います。
今日は、②保護命令の期間の伸長についてです。
接近禁止命令、電話等禁止命令、親族等への接近禁止命令、子への接近禁止命令などは、これまで旧法下では期間が6ヶ月でした。
期間が6ヶ月、というのは、これらの命令で加害者に接近などを禁止する期間が6ヶ月であり、6ヶ月経つと命令で接近などを禁止することができなくなります。
もちろん再度の命令を申し立てることはできるのですが、6ヶ月の間に、自分た子どもたちの身を守る状況を作らなければならず、短い、という意見が多くありました。
そのため、改正法では、この期間を倍の1年にして、この期間内に離婚を進めたり、転居をしたりして、自分たちの身を守る状況を作れるようになりました。
また、退去等命令については、これまで2ヶ月の期間だったものが、原則は変わらないのですが、所有者又は賃借人が申立人のみの場合には、6か月の期間とすることができるようになりました。
この退去等命令って何か、というと、被害者と加害者が同居している場合、加害者に対して住んでいる自宅から退去を命じ、その期間内に被害者が自宅から荷物を運び出すなどして、転居ができるようにするための命令です。
まず、被害者が住む場所を変えなきゃいけない、という制度がいいのか、ということは置いておいても、加害者にも生活の本拠を奪うようなラディカルな命令なので、期間を制限することとなっていました。
これも、「短すぎる」という声が多かったことから、住所の所有者や賃借人が申立人のみである場合、言葉を変えて言えば、加害者は「被害者の許可を得ているから自宅に住めている」状態である場合には、加害者の居住を保護する必要がありません。そのため、長期間自宅から追い出しても、制限される権利は少ないのでは、という考慮に基づきます。
なお、6ヶ月の退去等命令を申し立てる場合には、「所有者又は賃借人が申立人のみの場合」という要件を満たす必要がありますので、申立てのときに所有者や賃借人について登記事項証明書、賃貸借契約書を添付し、所有者であること、賃借人であることを立証する必要がありますので、注意が必要です。
ということで、今日は期間のお話でした。
今日東北南部は梅雨入りしたようです。
雨のときは外出が億劫になりますが、雨音を聞きながらパソコンに向かうのは心が落ち着くものです。
雨の日だって楽しいことはあるのにね
それでは
宮本