こんばんは。
弁護士の宮本です。
さて,今日も時事ニュースです。
22日の金曜に,離婚後の単独親権は憲法に違反する,として損害賠償請求を求める訴訟が提起されたようです。
詳細はこのリンクからどうぞ。
現在の日本では離婚時にその一方を親権者と定めなければなりません(民法819条1,2項)。
そうすると,どちらかが親権者になりますので,当然親権者じゃない方も生まれるわけです。
親権者ではない場合,子の監護に関わる頻度は必然的に低くなります。この,片方のみが親権者になる制度が「単独親権」です。
他方で,離婚後も両方の親が親権を行使するのが「共同親権」で,海外ではこの共同親権を採用している国もあったりします。
今回は,親権者じゃない方が,子の監護に関われなくなったことで精神的苦痛をうけた,とする訴訟のようです(あくまでニュース内容から)。
そうすると,憲法に反する,とされるのは上記の819条1,2項ですね。憲法違反を主張する訴訟も,基本的には通常の民事訴訟である点は付随的違憲審査制ということですね。ここ,テストに出ますよ。
共同親権が良いのか,単独親権が良いのか,それは様々意見のあるところですが,私は「海外でも取り入れている」ということで日本でも取り入れる,というスタイルがどうも受け入れられません。
ある国(ないしは地域)で何が一番の紛争解決手段なのか,ということは,その国ないし地域の民族性,社会性,歴史,地理的条件,文化,慣習などと分かちがたく結びついていて,ある地域でのベストウェイが,違う地域でのベストウェイになるとは限らないと思っています。
無論普遍的な価値もあって,例えば,子どもの事を考える際には,子どもの福祉を一番に考えよう,ということはそうなのかもしれません。
ただ,子どものために何が最善なのかは「他ではこう」だけで安易に取り入れるのは難しいと思っています。
率直な感想からすれば,国や地域単位ですら統一はできず,本当に個別の事案ごとに何が最善かは異なっていると思っています。
この手の事案は共同親権論者,単独親権論者いずれも極端な事例を一般化している感じがしているので,もう少し一般化できる議論ができればいいな,と思っています。
なんだかとりとめのない感想でしたが。
とまれ,タイトルでElton JohnではなくACIDMANを連想した方とは,美味しいお酒が飲めそうです。
それでは
宮本