こんばんは。
弁護士の宮本です。
さて、世間は4連休初日で、明日はオリンピック開会式のようですが、仕事なので事務所に出ておりました。
オリンピックと言えば、このところ開会式等に関わる人の辞任・解任が続いております。
今日は、小林賢太郎氏がディレクターを解任されたとのことです。
解任の理由としては、氏が組んでいた「ラーメンズ」のコントの中に、ホロコーストを揶揄するセリフがあった、とのことです。
まず、ですが、私はラーメンズが大好きです。
NHKのオンエアバトルに出ていたのをよく見ていて、最近でも昔のネタをyoutubeで見ています。心理ゲームが最推しです。
だからひいき目に見ている、という可能性も十分にあるかもしれませんが、今回のことには少し違和感を感じています。
私たち弁護士は、時に犯罪を犯した方を弁護することもありますし、債務超過に陥った方から相談を受け、債権者の犠牲の下、破産を申し立てることもあります。
そこで感じるのは、社会の中でやり直すことができることは、非常に重要である、と言うことです。
人は往々にして間違えることがあり、だからこそそのことを反省し、やり直す必要がある。社会は間違いは間違いとして認め、やり直す人を見守る、ということが必要なのではないか、と思います。
無論、やり直しができないこともありますし、反省してもまた繰り返してしまうこともあるのではないか、と思います。
ただ、やり直しができないのなら、罪が滅ぼすことができないのなら、それは社会からの追放を意味するのではないかと思ってしまいます。
過去がいかに優れている人でも、今が酷い人であれば意味がありません。反対に、過去に酷い人だったとしても、そのことを悔い、きちんと償いをし、現在は正しく行動している人が、過去のことで貶められるのは、あってはならないのではないか、と思います。
その意味で、今回の件は、まさにそのようなことなのではないかと思いました。
ホロコーストを揶揄する言葉自体は使用すべきでないし、使用したことは当時であれ、不適切だったのだと思います。
しかし、その言葉は彼自身の政治的意識を体現するものでないことは、コントでの用いられ方からして明らかです。そして、その後、同様の言葉は、コントの中で用いられていないと思います。
だとすれば、氏はそのような笑いの取り方は良くない、と悔い、違う形で笑いを取る方向に向かったのではないか、と思った次第です。
その上で、現在まで氏の活動の幅は大きく広がり、様々な場所で活躍するようになり、今回のディレクターにも任用されたのではないかと思いました。
そのような中で、相当な過去の一時点の発言を取り出し、これを原因に現在の彼を否定するのは、私はあってはならないのではないかと思いました。
ただ、オリンピックは高度に政治的なものであり、政治的に解任がやむを得ない(特に西欧圏のタブーですし)のだとすれば、それは「政治判断」としては致し方ないのだと思います。ただ、そうなのであればこそ、起用する側が責任を負うべきなのかもしれません。
私としては、氏の発言を不快に思う人がいることは否定しませんが、氏の才能が素晴らしいこともまた否定できないものと思っています。願わくば、氏がこれに懲りずに創作活動を継続してくれることを願ってやみません。
さて、ここまで書いて、タイトルはThe First Question Awardのリード曲です。
小山田圭吾さんも五輪には関わらなくても良いとは思いますが、それでもなお、楽曲は最高です。Sunで始まりMoonで終わるこのアルバムの価値も、些かも減じられないと思います。
少し長くなりました。
それでは。
宮本