こんばんは。
弁護士の宮本です。
早いもので8月も終わっちゃいましたね。
いや、早すぎです。
さて、今日は前回の続きです。
824条の2の第3項の解説です。
おさらいですが、824条の2は、主として婚姻中の親権の行使について定めた条項です。
そのうち、2項までの原則としては
■原則親権は共同行使(1項)
□急迫の事情があれば単独行使可能(1項)
□日常の行為にかかる行使も単独で可能(2項)
というとこまで見てきました。
それを踏まえての3項です。
ここで再度のおさらいです。
824条の2は、次の通り定めています。
3 特定の事項にかかる親権の行使について、父母間に協議が整わない場合であって、子のために必要があると認めるときは、家庭裁判所は、父又は母の請求により、当該事項に係る親権の行使を父母の一方が単独ですることができる旨を定めることができる。
これも今回の改正で新しく入った制度です、「特定事項に関する親権行使者の指定」というものですね。
これと、次に説明する824条の3があるので、少しややこしいことになっています。
さて、その前に824条の2第3項です。
これは、特定事項に関する親権行使について、親権者間で意見が対立した場合について、裁判所は、その特定事項について「親権を行使するもの」をどちらか一方に指定することができる、という規定です。
例でお話します。
例えば、監護親Aが、子どもは「〇高校に行きたい」と言っていて、Aはその意思を尊重したい。
他方で、非監護慎Bは、子どもが小さいころからバスケをしていて、バスケの強豪校である◆高校に進学させたい、と思っている。
AB双方の意見が対立した場合、親権は共同行使が原則なので、共同して行使できない以上、子どもと高校との在学契約が結べない、と言うことになってしまいます。
その場合、裁判所は、「高校との在学契約の締結」という親権の一部としての特定事項について、A、Bどちらか一方が「単独で行使できる」ことを定められる、ということです。
つまり、A、Bは他方が反対してても、高校との在学契約を結べる、ということですね。
では、裁判所はどういう観点でA,Bどちらが親権を行使すべき、と判断するのでしょうか。
ここは裁判所も結構気にしていたのですが、「〇高校と◆高校、どっちに進学をするのが良いのか」という判断をするのではない、と言う点です。
そんなこと裁判所が判断できるはずもありませんし、もっといえばその責任だって負えないですよね。
とすると、裁判所が判断するのは、「A、Bどっちが判断した方が、子どものためになるのか」ということです。
だから、「Aが行使することが適切」と判断した後、Aは、「やっぱり学費が高いから、公立の△高校に行きましょう」ということもできるわけです。
そうすると、この点が争いになった場合には、「〇高校が優れている」ということを主張立証するのではなく、「子どもを近くで見ていて、子どもとも意思疎通が図れている、子どものための判断をするのはこちらが適切」という主張立証が必要になるはずです。
これはやはり今までの主張立証と離れたものではないはずなので、主張立証が大きくずれることはないのではないか、と思います。
他方、特定事項はかなり類型が多くなる(医療同意や留学など)可能性があり、それぞれにどういう主張をしていく必要があるかは、今後検討が必要になると思います。
このあたりは私たちも、事例の集積と研究が必要になるのではないか、と思っていました。
今日は824条の2の3項をお話ししました。
次はそろそろ離婚後の親権に関してもお話ししていきたいかと思います。
それでは
宮本





