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夏の山

こんばんは。弁護士の宮本です。

台風が通過して穏やかになってきた仙台です。

先日,天気が良かったので山に登ってきました。

山と言っても,仙台の近郊にある泉ヶ岳ですが。当会の山岳部が同じ頃奥穂高岳に登っていたのとは雲泥の差です。

とは言え,1000メートルはある山で,気軽に登れるという点ではとても良いところです。

これは出発地点の駐車場からの景色。

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気温30度を超える昼下がりに登り始めました。

スタート地点は500メートルちょっとの標高ですが,そのまま1200メートル超の北泉ヶ岳に登ります。

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1時間半ほどで山頂に着きました。少し前の雨で途中ぬかるんでいましたが,スムーズに登ることが出来ました。

そのまま,一旦北泉ヶ岳を下り,鞍部を通って泉ヶ岳へ登り返します。

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30分ほどで泉ヶ岳の山頂につきました。午後に登りましたので,途中すれ違う人は殆ど無く,静かな山行でした。

写真は泉ヶ岳山頂付近から北泉ヶ岳とその奥の三峰山や船形山です。頂上はトンボが飛んだり,すすきが育っていたりと,一足早い秋の気配を感じることが出来ました。

頂上で少し休んだ後,かもしかコースを通って下山します。

途中,「岡沼」と言う窪地に寄ってみたところ,やはり雨の影響か,本当に沼ができていました。

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全体で2時間45分くらいでしたが,夏から秋への移り変わりを楽しむことが出来,とても趣を感じた一日でした。

時間があれば,船形山までのピストンをしたいのですが,まずは体力をつけるのが先決ですね。

それでは。

 

宮本

まちのせんもんか

こんばんわ。

弁護士の宮本です。

さて,今日も判例紹介です。

今日は最一小判平成28年6月28日【平26(受)1813号 ・ 平26(受)1814号】です。

債務整理を依頼された認定司法書士が、裁判外の和解について代理することができない場合についての判断です。

最高裁の判例要旨に,「…た事例」との記載がある場合があるのですが,この場合は原則事例判断,つまり,「本件のような事情のもとではこうですよ」という判断に過ぎません。

同じ事案であっても,事情が異なれば違う判断になることも十分に予想されます。昨日ご紹介した判例はまさに事例判断で,このような事情のもとでは,飲み会帰りの事故は労災だ,と言ってますね。

さてさて,そこで今回の判例を見てみると,「…できない場合」と言う要旨になってます。

つまり事例判断ではなく,認定司法書士が裁判外の和解ができないのはこういう時です,と見解を出したことになります。

それでは詳しく見てみます。

司法書士のうち,一定の研修と試験を受けた方は,法務大臣の認定を受け(認定司法書士),簡易裁判所における代理を行うことができます。

ちなみにこの研修は私の地元でやってました。今もやっているのでしょうか。

簡易裁判所は訴額140万円以下の事件を扱うものですので,認定司法書士が代理人として扱えるのも,140万円以下の事件,ということになりますね。

それでは,この「140万円以下」の事件とはどういうものを指すのでしょうか。

認定司法書士が数多く手掛ける事件の一つに「債務整理」やそれに伴う「過払金返還請求事件」があります。

利息制限法の制限利率を超える利率で取引をしていた場合で,利息制限法の制限利率で引き直すと,払い過ぎた利息の返還を求めることができる,というものです。

このような過払金返還請求の場合,事件に着手した時は高い利率で計算していますので,金融会社Aには債務が残っている(例えば100万円)事があります。

Aとの取引を制限利率に引き直して計算すると,債務はなくなり,反対に140万円の過払い金が発生していたとしましょう。

そうすると,依頼者が得る経済的利益,というのはいくらになるのでしょうか。

①単に過払い金140万円を請求するだけですから,140万円でしょうか。

それとも,②-100万円から+140万円になりましたから,240万円でしょうか。

また,Aだけではなく,別の金融会社Bとも同じ状況だったとして,経済的利益は③合算して280万円になるのでしょうか,④480万円になるのでしょうか。

最高裁は,これを「当該債務整理の対象となる個別の債権の価額」によって決めるべき,としました。つまり①です。

ただ 裏を返せば,1000万円の債務が有り,交渉して900万円の返済ですみました(=経済的利益は1000-900万円で100万円)とは言えないということになりますね。

この問題は弁護士と司法書士の職域にも関わる問題で,以前からかなり議論になっていたのですが,最高裁として一定の判断を示した結果になります。

私はむしろこの後起こりうることの方がえげつないのではないか,とも思っているのですが,またそれは別の機会にお話することにしたいと思います。

それでは。

 

Under Control

こんばんは。弁護士の宮本です。

毎度言っているような気がしますが,更新がご無沙汰になってしまいました。

このところ,興味深い判例が出ていますので,少しご紹介したいと思います。

今日は,【最二小判平成28年7月8日(平26(行ヒ)494号)】です。

簡単に言うと,会社の歓送迎会の帰り道で事故にあった場合,労災の対象となるか,と言う話です。

ご存知のとおり,業務の中で怪我を負ったり亡くなってしまった場合には,「労働者災害補償保険法」という法律で補償が受けられることになっています。

本件は,会社の飲み会の帰り道(本来的意味での帰り道ではありません。本件は通勤災害ではないこともポイントです。)で事故に遭った場合,「労災」になるか,という点が争われました。

結論として,最高裁は「本件の事実関係の下では」事故は労災だとしました。

労災になるためには様々な要件があるのですが,その一つに,業務中に起こった事故である,ということ挙げられます。

この「業務中に起こった事故」ということはどうやって判別するか,というと,以前の判例では,「労働者が労働契約に基づき事業主の支配下にある状態において当該災害が発生したことが必要」としていました。

基本的に,本件でもこの枠組は維持しています。

その上で,最高裁は次のような事実関係を認めた上で,本件では「業務中に起こった事故である」としました。

例えば,

①上司から飲み会に誘われ,資料の作成を理由に一度断ったにも関わらず,参加を強く求められた

②資料作成の期限は伸ばされていないから,飲み会に参加した後,業務に戻ることを余儀なくされていた

③社内の親睦を図るために開催されており,ほぼ全員が参加していた

④飲み会の費用が,会社の福利厚生費から支出されていた

のような事情です。

このような事情のもとでは,飲み会は「本件会社の事業活動に密接に関連して行われた」ものであって,飲み会に参加し,従業員を送って会社に戻る行動は,会社から要請されたもの,つまり,会社の支配下にあったとしました。

とても雑駁に書きましたが,最高裁の判断はこのような流れです。

ただ,ニュースなどでは「飲み会も会社の業務と判断」などと言われていますが,それは少し外れていると思います。

本件も,従来の判断枠組みを崩したわけではなく,単に今回の飲み会は少し特殊だったため,飲み会とは言っても業務中と認められた,と考えたほうが良さそうです。

事例としては非常に興味深いものでしたので,ご紹介してみました。

それでは。

 

宮本

Sexual Orientation and Gender Identity

こんばんは。深夜の更新になってしまいました。

弁護士の宮本です。

表題はなんだかかっこいい横文字ですが,いわゆる「性的指向」と「性的自認」と言われるものです。

最近ニュースで聞く単語に「LGBT」というものがあります

Lはレズビアン(Lesbian),Gがゲイ(Gay),Bがバイセクシュアル(Bisexual)、そしてTがトランスジェンダー(Transgender)の頭文字で,それぞれくっつけたものがLGBTです。

いわゆる「性的少数者」の総称を指す言葉ですね。

先ほどのべた「性的指向」は,恋愛や性の対象となる性に関する呼称でL,G,Bがこれに当たります。

他方,「性的自認」は,自分の性をどのように認識しているのか,に関する呼称で,Tがこれですね。

ちょっと聞いたニュースに出てきたLGBT,という単語でも,かなり多くの意味があり,それに関して正しい知識を持っている人はかなり少ないと思います。

かくいう私もその一人で,先週末に講義を受けるまでは全くと言っていいほど知識がありませんでした。

ですが,この問題が深刻なのは,まさに「知らない」ということなのだろうと思います。

「知らない」から「気付かない」し,「気付かない」から「傷つけてしまう」。性的多数者は,性的少数者に対して,無理解に傷つけてしまうことが多いのではないでしょうか。

自分が正しいと思っているとき,人は結構残酷になってたりすることが有ります。

自戒を込めて,もっと知っていかなければいけないな,と思った次第です。

それでは。

 

宮本

 

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熊本地方の震災被害について

こんにちは。弁護士の宮本です。

さて,4月14日の夜から,九州熊本地方では大きな地震が続いています。

本日現在までに,震度7,震度6強を含むかなり多くの地震が観測され,被害も多数出ているようです。

5年前に,夜半の緊急地震速報に起こされながら過ごした日々を思い出すと,今現在被災地域にお住まいの皆様が,どんなに不安な気持ちでいるか,少しは分かる気がします。

まだまだ余震が続いているようですし,今日の夜からは強い雨がふるようですので,これ以上被害が拡大しないよう祈るばかりです。

また,自分では小さなことしか出来ないと思いつつも,できることから始めていきたいと思っています。

まずは,被災地域にお住まいの方が,一刻も早く安心できる日が来ること願ってやみません。

 

 

Specially

こんばんは。弁護士の宮本です。

日付が変わり,今日は平成28年3月11日です。

3月11日と言う日が,東北に住む者にとって特別な日になってからもう5年が経ちます。

幸いにして,仙台市中心部で被災したので,自分自身に大きな被害はありませんでしたが,それでも目の当たりにした光景は忘れることが出来ません。

季節はめぐり,今年もまたこの日がやって来ました。

この5年間で良くも悪くも変わって行ったものが数多くあります。

ただ,今日という日に思いを馳せる気持ちは,5年前から何も変わっていないような気がします。

5年という月日は長いようで,あっという間でもありました。

3月11日が,なんでもない日に戻れる日が早く来ることを願ってやみません。

 

それでは。

 

清水へ祇園をよぎる桜月夜

こんばんは。弁護士の宮本です。

タイトルは与謝野晶子ですね。特に意味はありません。

さて,今日は先日出た最高裁判決について書いてみようかと思います。

一時,判決文を見ようとする方が多かったため,最高裁のサイトが繋がりにくい状態になり,別のページを用意したくらい反響があったみたいです。

事件は,最三小判平成28年3月1日。線路内に立ち入った認知症患者の家族に対しての請求が棄却された事例です。

まず,この判決は,最高裁の判例要旨で「…事例」となっていますので,あくまでも事例判断です。

認知症患者の家族の責任が一切否定されたわけではないので,その点には注意が必要でしょう。

その意味で,判示の中で重要な意味を持つのは,次の部分です。

「責任無能力者 との身分関係や日常生活における接触状況に照らし,第三者に対する加害行為の防 止に向けてその者が当該責任無能力者の監督を現に行いその態様が単なる事実上の 監督を超えているなどその監督義務を引き受けたとみるべき特段の事情が認められ る場合には,衡平の見地から法定の監督義務を負う者と同視してその者に対し民法 714条に基づく損害賠償責任を問うことができるとするのが相当」

まず,判決では,原告の請求が民法714条に則ってますが,この民法714条に定める「責任無能力者を監督する法定の義務を負う者」に,夫婦というだけでは当たらない,としています。

原告は,夫婦は同居,相互扶助義務があるとされています(民法752条)のですが,それだけでは「法定の義務を負う」とまでは言えないとしていますね。

ただ,法定の義務を負うものではなくても,「身分関係」や「日常生活における接触状況」から考えて,特段の事情のある場合には,法定の義務を負うものと同視して,責任を問いうるものとしています。

最高裁が言っているメルクマールは①身分関係と②日常生活における接触状況」ですので,家族が依然としてその中で大きな地位を占めていることは間違いなさそうです。

その後に引き続いて,最高裁はどのような事情を総合考慮すべきか,いくつかポイントをあげていますので,この点は参考になると思います。

このような,何とも総合考慮合わせ技的な手法ということは,感情としてはわかるところです。でも,実際の法理論的にどうなっているのか,なんでこれらの事情を考慮すると,責任を負わされたり負わされなかったりするのかがいまいちわからないところもあります。

ここで,自分として腑に落ちた説明は,木内裁判官の補足意見です。

木内裁判官は,補足意見の中(最後の方です)で,次のように述べています。

「責任無能力の制度は,法的価値判断能力を欠く者(以下「本人」ともいう。)の ための保護制度であるが,…(中略)…本人に責任を問わ ないとしても,監督者が責任を問われるとなると,監督者に本人の行動制限をする 動機付けが生ずる。」

とし,

「保護者,後見人 に本人の行動制限の権限はなく,また,行動制限が本人の状態に悪影響を与えるた めに行動制限を行わないとすると,四六時中本人に付き添っている必要があり,そ れでは保護者,後見人の負担が重すぎる」

そうすると,保護者が責任を負うためには,「本人を現に監督しているかあるいは監督する ことが可能かつ容易であるなどの客観的状況にある」事が必要としています。そうしないと,「そうで ない者にこの責任を負わせることは本人に過重な行動制限をもたらし,本人の保護 に反するおそれがある。」という趣旨のようです。

最高裁はこのところ,少し幅の広がりすぎた責任の範囲を狭めるような思考をしているようですので,ある程度予想された判決ではあったのですが,こうして読んでみると色々発見があり面白いですね。

 

それでは。

 

mais il ne marche pas

こんばんは。

弁護士の宮本です。

まもなく当地では弁護士会の定期総会があります。

あまり耳慣れないかもしれませんが、弁護士は各県に単位会がありまして、弁護士は単位会の会員になっています。

単位会ごとの活動をするために、年に1度総会を開いて、予算を決めたり、役員を決めたりします。

当会は毎年2月に開催しておりまして、先日開催のお知らせが来ました。

最近は一年があっという間だな、と感慨深くなってしまいますね。

それでは、また。

美里町での相談会

こんばんは。弁護士の宮本です。

随分更新をサボってしまっていました。

今年はこまめに更新したいと思います。

先日、出張相談で同じ宮城県内の美里町に行ってまいりました。

この相談は、私が参加している仙台ネット被害対策弁護団(http://net.highfield-law.com/)のイベントでした。

当日は非常に暖かく、絶好の相談日和だったのですが、思ったよりも相談件数は少なく、まだまだネットでの被害を相談できる環境にはないな、ということを強く感じました。

今後も同弁護団では様々な企画を行っていきたいと考えていますので、ネットトラブル、SNSでのトラブル、架空請求などで悩んでいる方は、是非お問い合わせください。

半分宣伝めいたものになってしまいました。

今日はこの辺で。

 

それでは

人権大会プレシンポジウム「男女ともに人間らしく働ける社会を目指して」

こんにちは。弁護士の宮本です。

本日は,仙台弁護士会会館4階で,日弁連人権大会のプレシンポジウムである「男女ともに人間らしく働ける社会を目指して」が開催されました。

今年の日弁連人権大会は,チーバくんで有名な県で開催されるのですが,そのテーマの一つが,「女性と労働」です。

今年は,男女雇用機会均等法が成立して30年です。その頃とは,法律の整備状況も,社会情勢も全く異なっていますが,現実には,まだまだ女性が働きにくい,もしくは働いても貧困から抜け出せない状況が続いています。

こうした現状と,今後の方策を検討するために開催されたのが,本シンポジウムです。

 

シンポジウムでは,女性の労働事件を多く扱っている今野久子弁護士の報告に加え,官民合わせた労働者の方や,マタニティハラスメントを扱った弁護士などから実態の報告がありました。

男女雇用機会均等法や,女性差別撤廃条約などの批准があり,安倍政権の元では「女性活躍推進法」が成立するなど,女性を取り巻く環境については,整備が進んでいるようにも思えます。

しかし,実態報告では,法から漏れたものや,法の整備が追いついていない現状が報告されていました。

法の整備はもちろん重要であり,これは今後も進められるべきですが,それだけでは対応できない,社会的な認知や意識の向上などが必要だと思ったシンポジウムでした。

今回も固い記事になってしまいました。

それでは