to carry love, to carry children of our own

こんばんは
弁護士の宮本です。

さて,シンポジウムより数週間が過ぎまして,今年度も明日を残すのみになりました。
シンポまでが忙しいと言ってたのに,どうした,というお方がいらっしゃるかもしれませんが,色々ありましてですね…。
そこは察していただけますと幸いです。

さて,少しほとぼりも冷めたので,今日から何回かに分けてシンポジウムのことについて書いてみたいと思います。

シンポジウムは「離別後の子の養育を考える~英国司法省報告書を元に~」と題されているように,英国の司法省が発表したHarm Reprtを紹介し,そこで指摘されている問題点が日本でも妥当しないか,するとしてどういう事を考えていかなければならないか,ということをディスカッションするものです。

英国司法省のReportはこのサイトで公開されているので,英語に堪能な方は読んでみられるといいと思います。
日本語訳もありますので,こちらは検索で探してみてください。

このReportは,裁判所の面会交流等のオーダーによる危害等の問題について,司法省としてまとめたものです。
Reportでは離別後に,別居親が子どもに関与することと,それに伴う危険や問題点を指摘しています。
ではなぜそのような問題が起きるのか,ということについて,全編を貫くキーワードとして,①当事者主義的構造,②プロコンタクトカルチャー,③リソースの欠如,,④サイロワーキングとを上げています。
うん,初見だと何言ってるかわからないですよね。
とりあえず,今日はこの中で②プロコンタクトカルチャーについてお話します。

英国で言うプロコンタクトカルチャーというのは,「離別後も,別居親が子に関わることは子のためになるし,できるだけ関わることが望ましい」という考えです。
これ「カルチャー」っていうように,文化なんです。何か科学的な根拠があるわけではなく,「両親が子どもに関わった方が子どものためである」という何となく漠とした考え方です。
日本でも「面会交流原則実施論」などで存在していると思います。
で,これがなぜ問題点として指摘されているか,というと,「関わったほうがいい」というのが出発点なので,「関わるかどうか」をすっ飛ばして,「どう関わるか」から議論が始まってしまうことだと思います。
家族の有り様は千差万別であり,別居親が子どもに関わったほうがいいケースもあれば,そうではないケースもあります。
上記のような「どう関わるか」から議論が始まってしまうと,関わらないほうがいいケースでも,子どもを置き去りにして議論が進んでしまうことがある,ということになると思います。

これは私の個人的感想ですが,「双方の親の関係が良好である」場合には,双方の親が子に関わることは,子のためになるケースが多い気がします。
その反意として,「双方の親の関係が良好ではない」場合には,双方の親が子に関わることは子にためになるとは限らないと思います。
このように,違うケースが有ることを考慮に入れず「関わったほうがいい」という文化があることが問題なのでは,という指摘だと理解しています。

離婚の紛争になっている際には,上記のケースのうち,後者が当てはまりますから,別居親が子に関わることが,必ずしもいい結果をもたらさないケースですよね。
そのことを考慮せずに,面会交流を実施することは,誰の,なんの利益のためなのかな,と思ったりします。

そして,同居親にも,「夫婦は別れてしまったけど,子のためには協力すべき」って,そんな簡単に言えるんでしょうかね。
少なくとも,割り切れる人は多くはないと思います。
だって,別居親は会うだけなんですよ。
普段の子どもの朝食の準備や,服の洗濯,学校とのやり取り,その他頑張っている人に,諸々すっ飛ばして,会って「子に愛情注いでる」と言わんばかりの人に協力しろって,それが子のためだって言えるんでしょうかね。
家中のゴミ箱からゴミを集めて,生ゴミは水気を切って,分別してないゴミは分別して,袋を縛って玄関に置いておいて,それで,その誰かが置いたゴミ袋を玄関から集積場に持っていって「私は家事はごみ捨てをしてます」って言っている人に,協力しろってのは残酷なんだと思います。

シンポジウムの高尚さとはかけ離れた,下世話な話になってしまいました。

タイトルはEd Sheeranの「Perfect」という曲の歌詞です。
愛する相手がいて,その延長線上に愛する相手との間にできた子の養育があるんだと思います。その前提が崩れたところで,それを強制するのは,不幸しか産まないんじゃないかと思う次第です。

あまり上手いことは言えないので,詳しくは小魚さんのTwitterをご参照ください

それでは
宮本

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