師走

こんばんわ。

弁護士の宮本です。

先日色々判例が出ておりますので,少しずつご紹介したいと思います。

本日は,近時結構話題になっている子の引渡しに関する判例です。

今回の事件は最三小判平成29年12月5日(事件番号平成29(許)17)です。最高裁のHPで紹介されていますので,興味のある方はぜひご覧ください

この事件ですが,内容としては「父が法律上監護権を有しない母に対し親権に基づく妨害排除請求として子の引渡しを求めることが権利の濫用に当たるとされた事例」というものです。

まず,母が子とともに父と別居,母と父が,子の親権者を父と定めて協議離婚,母が親権者変更の申し立て,その後に本件の子の引渡し仮処分命令申立てをしたもののようです。

ポイントとしては,本件は親権に基づく妨害排除請求権を被保全権利とし て,民事保全法上の保全をしているようなんですよね。

本来子の引渡しの仮処分をする場合には,家事事件手続法上の「子の監護に関する処分(別表第2の3)」を本案として,審判前の保全処分(家事事件手続法105条)をするのが通常な気がします。今回はそうではなく,親権に基づく妨害排除請求をするというのは,かなり突飛な印象がしますね。

実際の事件としても,「合理的な理由はうかがわれず…長男の引渡しを求めることは,権利の濫用に当たるというべきである。」として申立てが却下されてます。

他方で子の監護に関する処分として行った場合にはどうか,というのはあるでしょうが,この件「子の親権者を父と定めて離婚」というのが一番わからない気がします。なんとなくこれが紛争の種というか…

ここで,例えば何らかの条件(例えば本来可能な慰謝料請求や財産分与をしないことなど)を父側が飲んだことを条件に,親権者の指定などがされていた,という事情があれば,親権者の変更などについてはまた違った結論になるのでしょうね。

あくまで事例判断ですが,木内裁判官の補足意見が至極まっとうなことを言っていて,そりゃあそうだよね,と思った次第でした。

 

 

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